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オーストラリアのチップ事情|相場・払い方を場面別に解説

オーストラリアのチップ事情を左右で比較したイラスト。カード端末で戸惑う場面とNo tipで断る場面

オーストラリアへの留学やワーキングホリデーが決まったとき、意外と多くの方が気にするのが「チップは必要なの?」という疑問です。日本にはない習慣だけに、レストランでいくら置けばいいのか、渡さないと失礼にならないのか、判断できずに不安になりますよね。

結論から言うと、オーストラリアでチップは必須ではありません。オーストラリアは法律で最低賃金が保証されている国で、スタッフの収入がチップに依存していないためです。それでも近年はカード端末に「チップ欄」が表示される店が増え、渡す場面・渡さない場面の線引きが分かりにくくなっているのも事実です。

この記事では、2026年8月時点の最新情報をもとに、オーストラリアのチップ事情を場面別に整理します。レストラン・ホテル・タクシーそれぞれの相場、カード端末での具体的な操作、チップと混同しやすい「サーチャージ」の正体、そして留学生・ワーホリの方がチップをもらう側になったときの税金の扱いまで、まとめて解説します。

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オーストラリアでチップは必要?結論と3つの原則

オーストラリアにチップの支払い義務はありません。メニューや値札に書かれた金額(オーストラリアの表示価格はGST/消費税10%込みです)を支払えば、それで会計は完結します。チップを渡さなかったからといって、失礼に思われたり、次回から雑に扱われたりすることもありません。

とはいえ「まったくチップ文化がない国」というわけでもありません。高級レストランやホテルなど、丁寧な接客を受ける場面では感謝の気持ちとして渡す人がいますし、決済端末にチップ欄が表示される店も年々増えています。判断に迷ったときは、次の3つの原則を思い出してください。

📌 オーストラリアのチップ 3原則

払わなくてよい — 義務ではなく、断っても問題は起きません。

金額は自分で決めてよい — 「何%でなければ失礼」というルールは存在しません。

渡すのは「特別なサービス」を受けたとき — カウンター注文やセルフサービスでは基本的に不要です。

実際のデータを見ても、オーストラリアでチップが発生する会計はごく一部です。決済サービス企業Zellerの調査によると、チップが付いた決済の割合は2019年の0.44%から2024年には0.73%まで増えていますが、それでも全決済の1%未満にとどまっています。「増えている」とはいえ、大多数の会計ではチップは発生していない、というのが現実の姿です。

一方で、増えていること自体も事実です。同じ調査ではチップの平均額がAU$25.20(前年比25%増)に上昇しており、渡す人は以前より多めに渡す傾向が見られます。つまりオーストラリアのチップは「全員が少しずつ払うもの」ではなく、「渡したい人が、渡したい場面で、まとまった額を渡すもの」に近づいていると言えます。

なぜオーストラリアにチップ文化が根づかないのか

アメリカでは飲食店の会計時に15〜20%以上のチップが事実上の必須とされ、払わないとトラブルになることもあります。同じ英語圏でも、オーストラリアではなぜここまで扱いが違うのでしょうか。理由は大きく3つあります。

① 法律で高い最低賃金が保証されている

最大の理由は賃金制度です。オーストラリアではFair Work(公正労働委員会)が毎年最低賃金を見直しており、2026年7月1日からの全国最低賃金はAU$26.44/時(週38時間でAU$1,004.90)に引き上げられました。さらに、シフト制で働くカジュアル雇用には25%の割増(カジュアルローディング)が加算され、最低でもAU$33.05/時となります。

カフェやレストランに適用されるHospitality Industry (General) Award(飲食・宿泊業の職種別最低賃金)でも、最も基本的なレベル1のカジュアル時給はAU$33.05/時です。日曜や祝日、夜間にはさらにペナルティレート(割増)が上乗せされます。

アメリカのようにチップを前提として賃金を低く設定できる仕組みがそもそも存在しないため、スタッフはチップがなくても生活できる——これがオーストラリアにチップ文化が根づかない最大の理由です。

項目 オーストラリア アメリカ
チップの位置づけ 任意(気持ち) 事実上の必須
飲食店の相場 0〜10% 15〜20%以上
賃金との関係 チップなしでも最低賃金が保証 チップ前提の低い賃金設定が可能
払わなかった場合 問題なし 指摘されることがある
※オーストラリアの最低賃金は2026年7月1日改定の全国最低賃金AU$26.44/時(カジュアルはAU$33.05/時)にもとづきます。

② キャッシュレス決済が徹底している

オーストラリアはキャッシュレス先進国で、カフェでのコーヒー1杯からタップ決済が当たり前です。現金を持ち歩かない人が多いため、「テーブルに小銭を残す」という行為自体が物理的に起きにくくなっています。

ただしこれは諸刃の剣でもあります。近年はカード端末の画面に「10%/15%/20%」といったチップの選択肢が表示されるケースが増え、その場で判断を迫られる場面が生まれました。この操作方法は後述の章で詳しく解説します。

③ 「フェアであること」を重んじる国民性

オーストラリアには階級意識を嫌い、対等な関係を好む文化があります。サービスを受ける側と提供する側に上下関係を持ち込む行為として、チップを好まない人も少なくありません。飲食店の従業員でも「チップを受け取らない」という方針を持つ人がいます。

実際、Lightspeedの2025年の調査では、「チップの100%がスタッフに渡ると分かっていれば、もっと払いたい」と答えた人が47%にのぼりました。裏を返せば、「どこに行くのか分からないお金は払いたくない」という感覚が広く共有されているということです。

場面別チップ相場【早見表】

ここからは具体的な場面ごとに、チップの要否と相場をまとめます。まずは全体像を早見表で確認してください。「不要」と書かれている場面では、本当に払わなくて構いません。

場面 チップの要否 相場の目安 主な渡し方
飲食
高級・中級レストラン 任意(渡す人あり) 合計金額の5〜10% 端末のチップ欄/現金
カジュアルなレストラン 不要 端数の切り上げ程度 チップジャー/現金
カフェ・フードコート 不要 おつりの小銭/AU$1〜2 チップジャー
パブ・バー(カウンター注文) 不要
宿泊
ポーター(荷物運び) 任意 荷物1個AU$1〜2/合計AU$2〜5 現金の手渡し
ハウスキーピング 不要(長期滞在なら任意) 1泊あたりAU$2〜5 枕元に現金
ルームサービス 任意 AU$2〜5 現金の手渡し
バックパッカー・シェアハウス 不要
移動
タクシー 不要(任意) AU$1〜5/端数の切り上げ 現金/カード
Uber・配車アプリ 不要(任意) AU$1〜5 降車後にアプリ上で
その他
ツアーガイド・ドライバー 任意 AU$5〜10(終日ツアー) 現金の手渡し
美容室・ネイルサロン 不要
フードデリバリー 不要(任意) AU$2〜5 アプリ上で
※2026年8月時点の一般的な目安です。金額に決まりはなく、渡す・渡さないはご自身の判断で問題ありません。

① レストラン・カフェ・パブ

オーストラリアの飲食店では、店の業態によってチップの扱いがはっきり分かれます。判断基準はシンプルで、「席まで来て注文を取ってくれるかどうか」です。テーブルサービスがある店ではチップの可能性があり、カウンターで自分から注文する店では基本的に不要と考えて問題ありません。

業態 チップ 実際のところ
ファインダイニング 任意(5〜10%) 記念日や接待では渡す人が多い。サービス料が加算済みなら不要。
テーブルサービスの店 任意(端数〜10%) 会計時に端末のチップ画面が出ることがある。スキップ可。
カウンター注文の店 不要 レジ横のチップジャーに小銭を入れる人がいる程度。
カフェ 不要 コーヒー1杯にチップを払う習慣はない。おつりを入れる人はいる。
パブ・バー 不要 カウンターで注文・支払いが基本。チップの習慣はほぼない。
フードコート・テイクアウェイ 不要 チップ欄が出ても迷わずスキップして構わない。

相場について補足すると、高級レストランで払う場合の目安は合計金額の5〜10%です。とても満足したときや大人数での食事では10%前後が喜ばれますが、アメリカのように15〜20%を求められることはありません。実際、Lightspeedの2025年の調査でも、「高額な会計やファインダイニングならチップを払いそう」と答えた人が46%、「カフェやパブなど少額の会計でも払いそう」は35%と、金額と場面によって明確に差が出ています。

また、オーストラリアにはキリのいい金額で支払う習慣があります。会計がAU$45なら、チップを含めてAU$50を渡して「Keep the change.(おつりは結構です)」と伝える——これがもっとも自然で、金額に悩まないスマートな渡し方です。

⚠ サービス料が加算されていたらチップは不要です

レシートに「Service charge」「Gratuity」の記載がある場合、それはすでにサービス料が請求されているということです。10名以上の大人数予約では自動的にサービス料が加算される店もあります。この場合、さらにチップを上乗せする必要はありません。

② ホテル・アコモデーション

ホテルでもチップの支払い義務はありません。オーストラリアでは荷物は基本的に自分で運ぶため、そもそもポーターにお願いする機会自体が多くありません。渡すのは「特別なことをしてもらったとき」に限られ、1泊ごとに毎回渡す必要はないと覚えておいてください。

場面 相場と渡し方
重い荷物を運んでもらった 荷物1個につきAU$1〜2、合計でAU$2〜5。その場で現金を手渡し。
ルームサービスを届けてもらった AU$2〜5。受け取り時に手渡し。
ハウスキーピング(長期滞在時) 1泊あたりAU$2〜5。部屋を出る前に枕元やデスクに置く。
部屋をひどく汚してしまった AU$5〜10。お詫びの意味を込めて。
コンシェルジュに特別な手配を頼んだ AU$5〜20。予約の難しいレストランを押さえてもらった場合など。
※バックパッカーホステルやシェアハウス、Airbnbではチップの習慣はありません。

ホテルでは現金の手渡しが基本です。ポケットに入れにくい小銭より、受け取りやすいお札の方が喜ばれます。オーストラリアの紙幣は最小がAU$5札なので、チップ用に何枚か財布に入れておくと安心です。

ハウスキーピングに渡す場合、テーブルに置いただけでは「置き忘れた現金」と誤解されて手を付けてもらえないことがあります。枕元に置く、または「Thank you」と書いたメモと一緒に置くと、チップだと伝わります。

③ タクシー・Uber

タクシーでも乗車のたびにチップを払う必要はありません。渡すのは、重いスーツケースをトランクに出し入れしてもらったとき、遠回りせずスムーズに送り届けてくれたとき、会話が弾んで楽しく過ごせたときなどです。相場はAU$1〜5、あるいは運賃の端数を切り上げる程度が一般的です。

タクシーでカードで支払う場合、チップも運賃と一緒に決済できますが、そのお金はタクシー会社に入るため、担当ドライバーに直接届くとは限りません。ドライバー本人に渡したいときは現金が確実です。

Uberなどの配車アプリでは、降車後にドライバーを評価する画面でチップを追加できます。オーストラリアでも2018年から機能が導入されており、次のような特徴があります。

💡 Uberのチップ機能ここがポイント

① チップは全額ドライバーに渡ります(Uberは手数料を取りません)。

② 降車直後だけでなく、乗車から30日以内なら履歴画面からあとで追加できます。

③ 誰がいくら払ったかはドライバーに個人名では表示されません。

④ ドライバーによってはアプリ経由のチップを受け取らない設定にしている場合があります。

④ ツアー・美容室・デリバリーなど

ツアー・アクティビティ:グレートバリアリーフのクルーズやウルル観光など、終日ツアーで丁寧なガイドを受けた場合、AU$5〜10程度を渡す人がいます。船上やバス車内にチップボックスが置かれていることもあります。もちろん任意です。

美容室・ネイルサロン・マッサージ:オーストラリアではチップの習慣はほとんどありません。日本と同じ感覚で、料金だけ支払えば問題ありません。

フードデリバリー:Uber Eatsなどのアプリでチップを選択できますが、オーストラリアでは払わない人の方が多数派です。悪天候の日や配達員が丁寧だったときにAU$2〜5を追加する人がいる程度と考えてください。

ワインの試飲・セラードア:ハンターバレーやヤラバレーなどのワイナリーでは、試飲料が有料の場合はチップ不要です。

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チップの払い方3パターンと使い分け

チップを渡すと決めたときの方法は、大きく3つに分かれます。それぞれ「誰にお金が届くか」が違うので、目的に応じて使い分けてください。

方法 主な場面 お金の届き先 注意点
現金を手渡し ホテル・タクシー・ツアー 担当スタッフ本人 AU$5札を用意しておく必要がある
チップジャー カフェ・カジュアルな飲食店 その日のシフト全員で分配 特定の人には渡せない
端末・伝票のチップ欄 レストラン全般 店の売上に入り、店のルールで分配 分配方法は店ごとに異なる
※担当してくれた人に確実に届けたい場合は、現金の手渡しがもっとも確実です。

「せっかく払うなら本人に届いてほしい」と考える方が多いのは、オーストラリア人も同じです。前述のとおり47%の人が「100%スタッフに渡ると分かればもっと払う」と回答しているのは、この不透明さが理由です。気持ちを確実に伝えたいなら現金手軽さを優先するなら端末——と割り切って考えると迷いません。

カード端末の「チップ画面」で困らない手順

オーストラリアで日本人が一番戸惑うのが、この場面です。カフェやレストランで会計をしようとカードをかざしたら、店員が端末をこちらに向け、画面に「10% 15% 20%」と表示される——初めてだと、断り方が分からず慌ててしまいます。

安心してください。オーストラリアのチップ画面には、必ず「払わない」選択肢があります。

📝 チップ画面が出たときの手順

① 画面に「Add a tip?」「Would you like to leave a tip?」などと表示されます。

② 金額やパーセンテージのボタンの下部・隅を見てください。「No tip」「Skip」「$0」「No thanks」のいずれかがあります。

③ それを押すと、通常の支払い画面に進みます。

④ ボタンが見つからないときは「No tip, thanks.」と伝えれば、店員が操作してくれます。

金額を選ぶ場合も、表示された選択肢から選ぶ必要はありません。「Other」「Custom」を押せば任意の金額を入力できます。AU$2やAU$5といった切りのいい額を入れる人も多く、パーセンテージにこだわる必要はまったくありません。

なお、この端末チップは「tip prompt(チップの催促)」と呼ばれ、オーストラリア国内でも賛否が分かれています。「アメリカ式のチップ文化が入り込んできている」と批判的に見る人が多く、メディアでもたびたび議論になります。断ることに後ろめたさを感じる必要はまったくありません——地元の人も日常的にスキップしています。

チップと間違えやすい「サーチャージ」の正体

会計時に「思っていた金額より高い」と感じたとき、その原因はチップではなくサーチャージ(追加料金)であることがほとんどです。これはチップとはまったく別物で、お店が正規に請求する料金です。

種類 目安 内容
サンデーサーチャージ 10%前後 日曜は従業員の賃金が割増になるため、その分を上乗せ。
パブリックホリデーサーチャージ 10〜15%前後 祝日の割増賃金分。クリスマスや祝日は特に多い。
カードサーチャージ 1〜5%程度 カード決済の手数料分。2026年10月1日から原則禁止
サービスチャージ 10%前後 大人数予約などで自動加算されるサービス料。
※サーチャージはメニューやレジ周辺に掲示が義務づけられています。会計前に確認できます。

ここでもっとも重要なのは、サーチャージが加算されている会計に、さらにチップを上乗せする必要はないということです。日曜サーチャージ10%を払ったうえでチップ10%を足す、というのは完全な払いすぎです。

📌 2026年10月から会計が変わります

オーストラリア準備銀行(RBA)の決定により、2026年10月1日から、eftpos・Mastercard・Visaのデビット/プリペイド/クレジットカードへのサーチャージが原則禁止となります。メニューや値札の表示価格が、そのまま支払額になるということです。

「カード払いだと1.5%上乗せ」といった表示は今後なくなっていきます。ただし日曜・祝日のサーチャージはこの規制の対象外なので、引き続き加算されます。

キャッシュレス決済のしくみやカードの選び方については、オーストラリアで使えるクレジットカードは? 最新キャッシュレス事情で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

渡さない方がいい場面と注意点

オーストラリアでチップをめぐってトラブルになることはまずありませんが、渡さない方がよい場面もいくつかあります。

⚠ チップを控えた方がよい場面

カジノ — 多くのカジノでディーラーへのチップが禁止されています。

公務員・公的機関のスタッフ — 受け取れない立場の人にはかえって負担になります。

「チップお断り」の方針の店 — 従業員教育の方針としてチップを受け取らない店もあります。

サービス料が加算済みの会計 — 二重払いになります。

セルフサービス・カウンター注文の店 — 習慣がないため、かえって相手を戸惑わせます。

チップジャーもレシートのチップ欄も見当たらない店で、どうしても感謝を伝えたい場合は、無理に現金を渡すより「That was delicious, thank you!」と声をかける方が、オーストラリアではよほど喜ばれます。実際、現地では言葉で感謝を伝える文化が根づいており、チップ以上に自然なコミュニケーションです。

また、チップを渡す・渡さないでサービスの質が変わることはありません。「払わなかったから次回冷たくされるのでは」と心配する必要はまったくないので、安心してください。

【留学生・ワーホリ向け】チップをもらう側になったら

ここからは、オーストラリアで働く方に向けた内容です。留学生(学生ビザ)やワーキングホリデーの方がカフェ・レストランで働く場合、チップを受け取る側になることがあります。日本ではまず経験しないことなので、ルールを知らないまま働き始める方が少なくありません。

チップは誰のもの? 分配のしくみ

受け取ったチップの扱いは、お店のルールによって次のように分かれます。働き始める前に、必ず確認しておきましょう。

分配方式 内容
個人が受け取る 手渡しで受け取った現金は、原則としてその人のもの。
チップジャーを山分け その日のシフトに入っていたスタッフで均等に分ける方式。もっとも一般的。
キッチンも含めて分配 ホールだけでなくキッチンスタッフにも配分する店。
給与に上乗せ カード経由のチップを集計し、給与に加えて支払う方式。
※分配のルールは店ごとに異なります。トライアル時に確認しておくと安心です。

チップにも税金がかかります

ここが一番の注意点です。オーストラリア税務局(ATO)は、チップを課税所得として扱います。お客様から直接受け取った現金のチップも、例外なく申告の対象です。

⚠ チップの申告で押さえるべき4点

① 現金で直接受け取ったチップもすべて課税所得です。

② 雇用主を経由しないチップは給与明細(Income Statement)に載りません。自分で記録する必要があります。

③ 商品券やギフトなど現金以外のチップも、市場価値で所得に含まれます

④ 申告漏れにはペナルティが科される可能性があります。

対策はシンプルで、受け取った日付と金額をメモに残しておくことです。スマートフォンのメモアプリで十分なので、シフトが終わったタイミングで記録する習慣をつけましょう。オーストラリアの会計年度は7月1日〜6月30日で、タックスリターン(確定申告)の期限は原則10月31日です。1年分をまとめて思い出すのは不可能なので、その都度の記録が結果的にいちばん楽です。

タックスリターンの具体的な手順やビザ別の税率については、【2026年最新】オーストラリアのタックスリターン完全ガイド|税率・申告方法・年金払い戻しで詳しく解説しています。

チップを当てにした求人には注意

まれに「時給は低いけどチップで稼げるよ」という説明をする求人があります。しかしオーストラリアでは、チップを理由に最低賃金を下回る時給を設定することは違法です。2026年7月1日以降、飲食・宿泊業のカジュアル雇用であれば最低でもAU$33.05/時が保証されなければなりません。

日本人向けの求人の中には、この水準を下回る「キャッシュジョブ」が紛れていることがあります。チップの有無に関係なく、時給が基準を満たしているかを必ず確認してください。判断に迷ったら、渡航前・渡航後を問わずアイエス留学までご相談ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. オーストラリアでチップを払わないと失礼になりますか?
A. 失礼にはなりません。
オーストラリアでは法律で最低賃金が保証されており、2026年7月1日からは全国最低賃金がAU$26.44/時、カジュアル雇用ではAU$33.05/時です。スタッフの収入がチップに依存していないため、払わなくてもサービスの質が落ちたり、嫌な顔をされたりすることはありません。チップはあくまで「よいサービスへの気持ち」です。

Q. カード端末にチップの画面が出たとき、払わない選択はできますか?
A. できます。
オーストラリアのEFTPOS端末に表示されるチップ画面は必ず「No tip」「Skip」「$0」など、チップなしを選べるボタンが用意されています。金額の選択肢だけが並んでいるように見えても、画面の下部や隅にスキップ用のボタンがあります。見つからないときは店員に「No tip, thanks.」と伝えれば操作してもらえます。

Q. オーストラリアのレストランでチップの相場は何%ですか?
A. 払う場合で合計金額の5〜10%が目安です。
高級レストランやテーブルサービスのある店で払う場合、合計金額の5〜10%が目安です。とても満足したときや記念日など特別な場面では10%前後が喜ばれます。アメリカのように15〜20%を求められることはありません。カフェやフードコート、カウンターで注文する店では、そもそもチップは不要です。

Q. レシートに書かれている「サーチャージ」はチップですか?
A. チップではありません。
サーチャージは日曜・祝日の割増人件費やカード決済手数料をお店が上乗せする料金で、日曜は10%前後、祝日は10〜15%前後が一般的です。これらはすでに請求額に含まれているため、さらにチップを上乗せする必要はありません。なお、カード決済のサーチャージは2026年10月1日から原則禁止となります。

Q. チップは現金とカードのどちらで渡すのがよいですか?
A. スタッフ個人に確実に渡したいなら現金です。
カード端末や伝票のチップ欄から支払った場合、そのお金は一度お店の売上に入り、店のルールに沿ってスタッフへ分配されます。分配の仕組みは店ごとに異なるため、担当してくれた人に直接届けたい場合は、現金を手渡しするかチップジャーに入れる方法が向いています。

Q. ワーホリや学生ビザで働いてチップを受け取った場合、税金の申告は必要ですか?
A. 必要です。
オーストラリア税務局(ATO)はチップを課税所得として扱います。お客様から直接受け取った現金のチップも申告対象で、給与明細に載らないぶん自分で記録して申告する必要があります。商品券などの現金以外のチップも、市場価値で所得に含まれます。金額と日付をメモに残しておくと、タックスリターンの際に困りません。


まとめ

オーストラリアのチップは、義務ではなく「気持ち」です。最低賃金が法律で保証されているため、払わなくても誰も困りませんし、誰も気を悪くしません。表示価格を支払えば、それで会計は完結します。

旅行や短期留学で訪れる方は、「基本は不要。特別なサービスを受けたときだけAU$5札を1枚」と覚えておけば十分です。ワーキングホリデーで飲食店に立つ方は、逆にもらう側の知識——分配のルールと、ATOへの申告義務——を押さえておいてください。どちらの立場でも、押さえるべき原則は同じです。金額に決まりはなく、渡す・渡さないはあなたが決めてよいということです。

チップのような日常の小さな不安は、現地に詳しい人に聞けば数分で解決します。学校選びやビザの手続きはもちろん、現地生活の細かい疑問まで、アイエス留学のカウンセラーがまとめてお答えします。まずは気軽にご相談ください。


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チップの習慣ひとつをとっても、「知っていれば迷わなかった」ということはたくさんあります。お金の使い方、働くときのルール、生活の常識——こうした情報は、現地に長くいるスタッフだからこそ具体的にお伝えできます。

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